プロジェクト

下水道・排水分野プロジェクト

プノンペン下水道整備計画
対象施設全体平面図(2023年6月)
  • 遮集施設完成図
  • 下水道施設完成予想図
プロジェクト名 プノンペン下水道整備計画
地域 カンボジア
時期 2018年4月~2024年11月
分野 下水道・排水
 カンボジアの首都プノンペンは、下水道施設が未整備のため、汚水は腐敗槽から排水路を通って湖沼・湿地帯で自然浄化される仕組みです。しかしながら、腐敗槽は適切な維持管理がなされず、汚水が不完全な処理のまま放流されているのが実態です。また近年、急速な人口増加と都市化により汚水量が増大すると共に、開発事業に伴う湖沼・湿地帯の埋立てが進み、自然浄化機能が低下している状況でもあります。特に、対象地域の汚水が放流されるCheung Aek湖は、面積が2003年から2015年にかけて大きく減少し、汚水による水質悪化が著しいことと、同湖に接続する排水路から流れ込む汚水からの悪臭及び雨季の排水不良により溢れる汚水等が、環境衛生面でも悪影響を及ぼしています。
 「プノンペン下水道整備計画」は、上記の水質悪化を受け、水質改善を図るために2018年4月に準備調査(概略設計)が開始し、2021年4月より着工、2023年11月に完工を予定しています。本件は、弊社が主体となり、プノンペン都における初の下水処理場を計画、設計、施工監理までを一貫して実施している案件です。
 下水処理システムは、管渠の面整備と処理施設の双方の面から最適なプランニングを提案し、M/Pでは、最終的な対象流量を28,2000m³/日(2035年目途)として設定している中で、本施設では、段階的な対象流量として、5,000m³/日を設定しています。
 下水処理場における処理方式は、F/Sでの検討で「PTF:Pre-treated Trickling Filter」に決定しました。これは、国内では主流な「標準活性汚泥法」に対して、今回のような小規模な下水処理においては、PTFのほうが省エネ、維持管理がしやすい、LCCが小さいなどのメリットがあり、この方式に決定しました。
 また、PTFはJS:日本下水道事業団の海外向け技術確認証の交付を受けており、日本の技術を海外に展開することが出来ているプロジェクトです。
  • 建設中の施設の様子(2023年6月)